指輪の意味

婚約指輪のほうが、結婚指輪より古い歴史をもっています

 

 

指輪と指の意味は、各地の民族・風習・信仰ごとにさまざまな特色をもたされてきました。ケルト人が薬指を神聖視していたのに対し、古代ギリシャや古代ローマでは親指を神聖視していたのもその一例。

 

結婚指輪の誕生は、紀元前の古代ローマまでさかのぼります。現在では左手の薬指につけますが、男女間で指輪を贈りあうようになった古代ローマの結婚指輪は親指につけられたといいます。というのも、古代ギリシャ人が親指の血管は心臓とつながっているたいせつな指だと信じていたことから影響されたことと、あまりつかわない指であるため指輪に傷がつきにくいと考えられたためです。

 

おもしろいことに結婚指輪の習慣ができたのは、婚約指輪が定着してから2世紀もあとなのです。ふつうに考えれば結婚指輪が先のように思えますが、婚約指輪のはじまりは一説には婚約した女性が逃げないよう環をはめたのが起源ともいわれています。

 

女性が男性の隷属物であった時代の話で、今日からみればちょっと怖い意味も婚約指輪はもっていたのですね。オリエントからヨーロッパへ、アジアへ伝わっていった指輪が、日本にもたらされたのははるかに遅れて江戸時代のこと。中国から輸入された、とてもおしゃれとはいえない白銅製の指輪でした。